イベント情報

2024.04.11シェイクスピア祭

2023年度 シェイクスピア祭が開催されました

2023年度のシェイクスピア祭が開催されました。多数のご参加ありがとうございました。

 

2023 年 4 月 22 日(土)、慶應義塾大学日吉キャンパス

 

   13:00 開会の辞(篠崎 実 日本シェイクスピア協会会長・千葉大学教授)

   13:10 講演 佐々木 和貴氏(秋田大学名誉教授)「挿絵から見た18世紀のシェイクスピア受容」

   *** 休憩***

   15:00 トーク 下館 和巳氏(演出家・一般財団法人シェイクスピア・カンパニー理事長)「Playing Shakespeare」

   聞き手 今野 史昭氏(明治大学准教授)

   ゲスト 星 奈美氏(シェイクスピア・カンパニー俳優)、岩住 浩一氏(シェイクスピア・カンパニー俳優)

   16:30 閉会の辞(服部 典之 日本英文学会会長・大阪大学名誉教授・関西外国語大学教授)

 

佐々木和貴氏講演要旨:17世紀のフォリオ版とは異なり、18世紀のシェイクスピア全集ではその多くに挿絵が添えられるようになった。本講演では、従来さほど論じられてこなかったこの工夫に焦点を当てることで、「長い18世紀」におけるシェイクスピア受容の変化を考察した。具体的には、ニコラス・ロウ版(1709, 1714)、トマス・ハンマー版(1743-4)、ジョン・ベルの上演台本版(1774)、アレグサンダー・チャーマーズ版(1805)等の挿絵を、『テンペスト』を例にとって時代順に検討することで、シェイクスピア作品の「商品化」と連動して、挿絵もまた顧客のニーズに合わせ、またニーズを生み出しながらカスタマイズされていることを示し、娯楽ビジネスという視点から、この時期のシェイクスピア受容の新たな特色を指摘した。

 

下館和巳氏トーク要旨:まず聞き手の今野史昭氏よりシェイクスピア・カンパニーのこれまでの活動の紹介があった。その後のトークでは、シェイクスピア・カンパニー設立の理由、サム・ワナメイカー、シシリー・ベリー、ピーター・ブルックとの出会い、旗揚げ公演『ロミオとジュリエット』(1995)のこと、「舞台語」「芸術語」としての東北弁について、標準語と方言の併用、特に登場人物の感情の変化に伴う方言使用の有無について、お話を伺った。さらに2024年冬に予定されている『冬物語』多賀城公演についても紹介していただいた。また、特別パフォーマンスとして、シェイクスピア・カンパニーの俳優、星奈美さんと岩住浩一さんによるリーディング・パフォーマンス『ロミオとジュリエット』、『奥州幕末の破無礼』が披露された。