イベント情報

2024.04.12シェイクスピア祭

2024年度シェイクスピア祭開催のお知らせ

2024年度シェイクスピア祭(日本英文学会・日本シェイクスピア協会共催)の予定は以下の通りです。一般公開(事前予約不要)で無料です。お誘いあわせのうえ、奮ってご参加ください。


日時:2024年4月20日(土)13:00~16:40

場所:早稲田大学戸山キャンパス 36号館382教室(AV教室)

  [東京都新宿区戸山1-24-1](詳細はこちら

  

  最寄駅からのアクセス

  ■地下鉄東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩3分

  ■JR山手線 高田馬場駅から徒歩20分

  ■バス:高田馬場駅(早大正門行き)・馬場下町バス停から1分


プログラム

  13:00 開会の辞 篠崎 実(日本シェイクスピア協会会長・千葉大学教授)

  13:10 講演 末廣 幹氏(専修大学教授・日本シェイクスピア協会前会長)

      「‘you have been mistook. / But nature to her bias drew in that’.

      ――シェイクスピア喜劇における登場人物の交換をめぐって」

  14:40 休憩

  15:00 トーク 鵜山 仁氏(演出家・文学座)

      テーマ「歴史劇から喜劇へ、そして悲劇へ」

      聞き手 近藤 弘幸氏(東京学芸大学教授)

  16:30 閉会の辞 阿部 公彦(日本英文学会会長・東京大学教授)


講演要旨 「'you have been mistook. / But nature to her bias drew in that'.――シェイクスピア喜劇における登場人物の交換をめぐって」

 シェイクスピア喜劇には、登場人物の代替や誤認のパターンが繰り返し用いられています。登場人物の役割の交換に関しては、『尺には尺を』と『終わりよければすべてよし』で用いられたベッド・トリックが極端で問題を孕んでいるとみなされることがありますが、『間違いの喜劇』や『十二夜』における登場人物の役割の交換も、ベッド・トリックと同様に問題を孕んでいます。本講演では、シェイクスピアが材源とした古代ローマ喜劇も参照しつつ、シェイクスピア喜劇における登場人物の交換に見られる人間観や演劇観に迫ってみたいと思います。


トーク要旨 「歴史劇から喜劇へ、そして悲劇へ」

 鵜山仁さんは、所属する文学座の他、さまざまなカンパニーで演出家としてご活躍です。シェイクスピア作品も数多く演出しておられますが、とりわけ近年では、新国立劇場での歴史劇シリーズ(『ヘンリー六世 三部作』(2009)、『リチャード三世』(2012)、『ヘンリー四世 二部作』(2016)、『ヘンリー五世』(2018)、『リチャード二世』(2020))が、キャスト・スタッフがほぼ同じという野心的な試みで話題を呼びました。昨年は、一転して喜劇に集中的に取り組まれ、文学座での『夏の夜の夢』、歴史劇シリーズのメンバーが再結集した新国立劇場でのダーク・コメディ交互上演(『終わりよければすべてよし』、『尺には尺を』)を演出されました。そして今年の6月には、文学座での『オセロー』上演を控えていらっしゃいます。本トークでは、こうした近年のシェイクスピア劇とのかかわりを中心に、お話を伺っていきたいと思います。


*************** 講演者プロフィール ***************


末廣 幹(すえひろ・みき)氏

専修大学教授。シェイクスピア及び初期近代の演劇作品を、主に他者表象という観点から広範に論じてきた。特に王政復古期演劇についての研究を進めている。共編著に『イギリス王政復古演劇案内』(松柏社、2009年)、『コメディ・オヴ・マナーズの系譜――王政復古期から現代イギリス文学まで』(音羽書房鶴見書店、2022年)、また近年の主要論考としては「トマス・デッカーとフィリップ・マッシンジャーによる悲劇『処女殉教者』に見られる〈ずらし〉の戦略」(Shakespeare Journal, Vol.3、2017年)、「“Theatric genius lay dormant after Shakespeare…”――ホレス・ウォルポールの『謎を抱えた母』に見られるシェイクスピア崇拝のアンビヴァレンス」(『専修人文論集』、2021年)など。


鵜山 仁(うやま・ひとし)氏

1953年、奈良県生まれ。慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業、舞台芸術学院を経て文学座附属演劇研究所に入所。現在、文学座演出部所属。2007年9月から2010年8月まで新国立劇場の第四代演劇芸術監督を務める。1989年に芸術選奨文部大臣新人賞、2002年に紀伊國屋演劇賞、2004年、10年、16年に読売演劇大賞・最優秀演出家賞。2010年に芸術選奨文部科学大臣賞、20年に紫綬褒章、21年に毎日芸術賞を受賞。主な演出作品に『グリークス』(文学座)、『父と暮せば』(こまつ座)、『ヘンリー六世』『リチャード三世』『ヘンリー四世』『ヘンリー五世』『リチャード二世』(新国立劇場)など。最近の作品に『連鎖街のひとびと』(こまつ座)、『二階の女』(NLT)、『花と龍』(文化座)等がある。